雑記21
自分、塾講師なんすけど、教材の中にこんな文章を見つけました。
「友にまじはるは、いかなることか心得べき。」と問ふに、友はその長所を友とすべし。
武技好むものには、それを友とし、歌よむ者には、それを友とするぞよき。
世の中に、同じこころの人といふものは、いとまれなることなるべし。
ただわが好めるかたに引きいれんとするもうるさし。
この人、このところ長じぬれど、ここはいとみじかし。
そのみじかきところを引きのべんとするは、いとくるし。
知己の人ことばを求めなば、もとよりいふべし。
されど、しばしばすべきにはあらず。
浅き契りの友なりとても、友といふうちならば、その人のうへの存亡にかかはることなばらいふべし。
ただその長所を友とすれば、まじはりがたき人もあらじ。」
と答へき。
「花月草紙」より
訳すとこんな感じです。
「友人と交際するには、どんなことを心がけたらよいだろうか。」
と問うと、
「交友は、その優れた点を友とするべきだ。
武芸を好む者には、それを友とし、和歌を詠む者には、それを友とするのがよい。
世の中に、同じ心の人というものは、たいへん珍しいことだろう。
ひたすら自分の好きな方面に(相手を)引き入れようとするものわずらわしい。
この人は、このところは優れているが、このところはひどく劣っている。
(こんな場合に)その短所を改めさせようとするのは、たいへん不都合だ。
自分をよく知っている友人が忠告を求めたならば、当然言ってやるべきである。
けれど、たびたびそうしてはいけない。
浅い縁の友であっても、友人のうちに入るならば、その人の生きるか死ぬかにかかわるような大切なことならば言ってやるのがよい。
ともかくその長所を友とすれば、交際しにくい人もいないであろう。」
と答えた。
ちょっと読みづらくなってしまいましたね(汗
でもこれ、とても良い教えだと思ったんです。
ていうかこれ、花月草紙って、松平定信が書いたんだね・・・。