今日から写真を載せることにしよう
22:30帰宅。
だるい体を引きずるように自室のドアノブに手をかけると、ぞくり、と背筋が凍るような違和感を感じた。
「ヤツか。」
俺は黙ったままバッグを漁り、ちょうど今日ある筋から手に入れたブツを握り締めた。
そのまま安全装置を解除して、人差し指をかける。
左手でドアノブを握りなおし、音を立てないようにゆっくりとドアを開いてゆく。
真っ暗なその部屋は静かで、俺の呼吸の音だけが聴こえる。
俺は手探りで部屋のスイッチを探すと、躊躇いなく電気を付けた。
蛍光灯が薄暗く2、3回瞬きして部屋が明るくなる。
そのまぶしさに目を細めながら部屋を見渡すと、床に黒いシミのようなものがあった。
否、ヤツだった。
部屋が明るくなって俺に気づいたヤツは、ものすごい速さで逃げ出した。
カサカサカサカサ。
4畳半にヤツの足音がこだまする。
「逃がすかっ!」
ダンッ!ダンッ!
俺の放った銃弾はヤツの足元を掠め、コンクリートに火花を散らす。
銃弾は外れたが、しかしこれは予定通りだった。
「追い詰めたぜ」
いつしかヤツは三方を壁と本棚で囲まれた行き止まりに追い詰められた。
そう、弾をわざと外して誘導していたのだ。
それでもヤツは諦めない。
とっさに本棚の裏の隙間に入り込もうとする。
「させるか!」
ダダダダダダダダダ!
火花一閃。
砂煙が舞い上がり、辺り一面は真っ白になった。
「やったか。」
換気するために窓を開ける。
ひんやりとした夜の風が吹き込み、うっすらと、もやが晴れていく。
もやの中心部に目を凝らすと、そこには黒いシミがあった。
黒いシミは、仰向けで死んでいた。
「んんぅぅんぅやったぁーー!」
俺は力いっぱい握り締めた拳を天に突きさした。
戦いが終わって、静かな部屋で俺はこれからのことを考えていた。
ヤツは倒したがこちらの被害も大きかった。
…後片付けが大変だ。
戦いはいつも虚しい。ヤツは身をもってそれを教えてくれた。